求められるのは博覧会協会の柔軟で踏み込んだ対応か

ーーーパビリオンの建設で未払い問題が発生し、今度は解体でもトラブルが起きるのではないかという指摘。万博協会の対応はどう見ていますか?

(清水貴太記者)「博覧会協会というのは、この問題に関しては一貫して『民間同士のトラブル』というスタンスで割り切っています。そのため博覧会協会から何か支援するであったりとか、何か融資をするであったり、そういった動きは正直ない状態です」

ーーーいわゆる自前で建設された「タイプA」の解体期限は来年4月13日までで、半年間ということですが、解体は間に合うのでしょうか?

(清水貴太記者)「この半年の間に、大屋根リングの中のパビリオンは全て解体して更地にしてくださいということになっています。ということは一斉にここの解体が行われるということなので、産業廃棄物が出てくるタイミングも一緒になってきます。一方で受け入れる場所というのは不足をしているので、そこが詰まっていて、結局この中の解体も進まなくなってしまうというところが業界団体の懸念の1つです」

ーーー考えられるのはその工期がちゃんと進むのかどうかというところ

(清水貴太記者)「やはり受け入れが進まなければ、当然その分工期も後に後に伸びていってしまうので、果たしてこの半年で間に合うのか」

ーーー懸念点として解体ならではの事情もあるということですね?

(清水貴太記者)「未払いのように何かしら金銭的なトラブルが起きた際に、建設の場合であれば、パビリオンなり建物を担保として、これがあるからきちんとお金払ってくださいという交渉ができる材料があるんですけども、解体の場合は、更地にしてしまうということなので、担保となるものが残らない。この点が解体で未払いが起きた場合に、業者の方とすると回収の交渉に非常に時間がかかってしまうというところがもう1つの懸念のポイントです」

ーーー今後の見通しはどうなっていますか?

(清水貴太記者)「博覧会協会は事務方トップの石毛事務総長が会見のなかで、『参加国に対して働きかけをしています。呼びかけをしています。ちゃんと法律、法令守ってくださいというふうに呼びかけしているんです』と。国土交通省も例えば書面での契約を徹底するようにということで通達も出しているという話はありましたが、博覧会協会どこまでいっても、民間同士のトラブルだ。民間同士の契約の延長ですよねというスタンスを崩していない。やはり今回こういうふうに解体の業界団体からも指摘があるのであれば、解体の期限を柔軟に遅らせる。トラブルになりそうなところはもう少し待つなど、柔軟な対応や踏み込んだ対応が求められると思います」

(2025年10月8日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」内『特命取材班スクープ』より)