子どもの性被害は、その後の人生に大きな影響を与える。12歳以下の子どもへの性犯罪の認知件数は年間約1000件。被害者と加害者の証言から小児性犯罪を無くす手立てはないのか考える。幼少期に友人の父親から性被害にあった女性、そして何人もの子どもに性加害をした男性がMBSドキュメンタリー映像‘23「小児性犯罪~当事者たちの証言~」の取材に実名で語った。
友人の父親から性被害にあった女性「ずっと自分を殺したいと思ってきた」

「私はずっと自分を殺したいと思ってきました」
そう話すのは大阪府に住む柳谷和美さん(55)。
和美さんが性被害にあったのは5歳のとき。加害者は隣の家に住む友人の父親だった。家に遊びに行くと友人は外出していて、「お医者さんごっこをしよう」と声をかけられた。
(柳谷和美さん)
「本当に遊びと思っているから、『全部脱いで』って言われて全部脱いで。自分で二段ベッドに上がっていって寝て、『じゃあ今から診察しますね』と目隠しをされて、そこから体の感覚だけですよね」