若い世代の就職活動の“変化”にいかに対応するか 企業側に求められることは
こちらはゲシュタルトに提案を依頼した企業、琉球ネットワークサービス。ソフトウェアの受託開発やシステム開発・運用における情報技術を提供するIT企業です。
琉球ネットワークサービス・上原啓司社長
「どこも人材不足ですし本土からもいろんな企業が沖縄に人材の確保できてますから、競り勝つためにはいろんな工夫をしていかないとやはり人の採用・確保はなかなか難しいと思いますね」「仕事はたくさんあるんだけど、その仕事をこなせる技術者が不足している」

ゲシュタルトの高田代表は、企業側が若い世代の「就職活動」の変化にいかに対応するかがカギだと指摘します。
合同会社ゲシュタルト・高田択人CEO
「情報を『閲覧する時代』から、若者も自分から情報を取りに行く『交換する時代』に変わっているので、企業の情報をいかにこのプラットフォームで発信し、それに興味を持っている人に直接お届けして交換ができるか」

SNSで情報交換することが当たり前の若い世代。「バズる」こともあれば「炎上」することもあるSNSを舞台に、企業が自社の魅力を若者に伝えることは簡単ではありません。
ゲシュタルトでは、SNS上で数万人のフォロワーを獲得しているクリエイターとチームを組み依頼を受けた企業の特徴の見せ方に工夫を重ねると言います。
一方、長期的には、人口が多いアジア地域との交流に活路があると指摘する専門家もいます。
沖縄国際大学で労働経済学を教える名嘉座元一教授です。
沖縄国際大学経済学部・名嘉座元一教授
「沖縄という立場から見ると、やはりアジアに近いという点では、そのネットワークをつなぐような人材、特に若手、外に目を向け連携が取れるような人材が育ってくれれば」
アジアとの人口の交流を生み出すことが、人材確保につながると期待しているという名嘉座教授。そのためにはまず県内からアジアで活躍する人材を送り出すことが必要だと語ります。
沖縄国際大学経済学部・名嘉座元一教授
「沖縄のポジション、へき地ではあるけども、逆に視点を変えれば、一番有利な点。有利な地域だと思う。今はうまく生かしきれていない」

新たな働き方の提示や情報の届け方の工夫など、企業に求められる対応は山積みの一方で、長期的な持続性を見据えた人材育成も必要、というわけです。
あらゆる視点での取り組みを同時に進めながら、時代の変化に対応していく必要があります。
給与などの待遇だけでなく、どんな経験ができ成長できるのかを魅力的に伝えていくという、今まで学生に求められていたコミュニケーション力が企業側に問われる時代になっているのかもしれません。