“敦賀止まり”になる?「関西客が半分に」加賀温泉郷の不安

北陸新幹線の大阪延伸へ、一度は決着が付いたはずのルート問題。なぜ石川県内では、再び米原ルートを求める声が上がっているのでしょうか。


石川県の最南端に位置する加賀市の山中温泉。創業800年を誇る老舗旅館「白鷺湯たわらや」の36代目、田向公一社長は米原ルートへの転換を求めます。

白鷺湯たわらや 田向公一 社長
「とてもではないけどそんなに長い期間待っていられない。とにかくもう米原の方につなげるという方向性を出してもらえるとありがたい」
「関西からの客が半分になってしまっていて…」

こちらは加賀市内の今年3月の入り込み客数。関西からの観光客は、2万5000人余りと、コロナ禍前の2019年と比べて半数近くまで減少。当時は全体の3割を占めていたシェアも21パーセントまで落ち込んでいるうえ、関東からの観光客も2000人ほど減っています。

もともと関西圏とのつながりが深い加賀の温泉郷にとって最も不安なのは、新幹線がこのまま“敦賀止まり”になってしまうことです。

白鷺湯たわらや 田向公一 社長
「経費も5兆円以上かかるとか現実的でない、かつ京都の地元の皆さんも反対をされてこれじゃ動かない。たぶん敦賀で終わってしまう可能性があるというか、これ以上伸びないんじゃないかと…」

ルート問題の鍵を握る京都。

四方を山に囲まれたこの盆地の地下には、「京都水盆」と呼ばれる琵琶湖に匹敵するほどの水がめがあるといわれています。去年12月、府内1100の寺院が加盟する京都仏教会が地下水が枯渇するほか、地上の国宝・重要文化財にも影響が出るとして、小浜・京都ルートに反対の声をあげました。

京都仏教会 長澤香静 事務局長
「千年の愚行とならないようしっかり考えてもらう」