戦後80年を迎える今年、富山大空襲の記憶の継承も難しくなっています。市民団体「富山大空襲を語り継ぐ会」は、節目の年にあたり資料の保存・展示への支援を富山県に要望しました。

27日に設立されたのは、超党派の「富山大空襲を語り継ぐ議員連盟」です。賛同者として富山市選出の県議14人と富山市議が33人が名を連ね、発起人の中川忠昭県議が会長に選ばれました。

1945年8月2日の富山大空襲。米軍の爆撃により市街地の99.5%が焼け野原に。空襲を受けた地方都市では最悪の被害で、死者は推定3千人にのぼります。

この記憶を後世に伝えなくてはいけないと、市民団体の「富山大空襲を語り継ぐ会」では、長年にわたって富山市に「資料館の建設」をはじめ資料の収集や保存、展示について要望を行ってきましたが、いまだ常設展示の場はありません。

議員連盟の設立総会に出席した高安昌敏代表幹事は。

語り継ぐ会 高安代表幹事
「この大空襲につながるものを風化させてはいけないと固く思っております。この運動と機運を高めるためにみなさんのご支援をお願いしたいと思います」

議員連盟では、大空襲の資料の収集・保存、展示などの取り組みについて、「語り継ぐ会」の活動を後押ししていくとしています。

「語り継ぐ会」は、新田知事に要望書を手渡し、資料や遺品の収集と保管管理
語り部の育成へ県としての支援を求めました。

知事への要望は、1994年の会設立以来、初めてだということです。

高安昌敏代表幹事
「富山市だけの問題ではない、県全体としてことしの80周年を節目に考える機運を作っていただきたいということをお願いしました。今までの私たちの会ができて30年とはまた違った第一歩が踏み出せたなと思っています」