28日も富山県内ではクマの出没情報が相次ぎました。県は緊急対策会議を開き「非常に危機的な状況」だとしてクマの捕獲上限数を緩和させる方針を確認しました。

28日午前8時半ごろ、富山市山田中村で住民から「クマがカキの木に登った跡がある」と地区センターを通じて市に通報がありました。

現場からは、クマが柿の実を食いあらした跡や木には爪痕、さらにクマの足跡のようなものも発見されました。

近くに住む人
「ことしは特に近くの家から30メートルから40メートルの範囲までクマ来てます」

クマの出没を受けてこの家の住民はクマの痕跡があった柿の木の伐採に踏み切りました。
近くに住む人
「こわいですね。」「朝家出るときでも周りを警戒しながら出ますね。いつも外に出るときにはクマ鈴をつけています」

富山市では28日午後4時時点で山田中村のほかに栗山、婦中町の住宅街など8か所でクマの目撃情報が相次いでいて市や警察がパトロールなどを行い警戒を呼びかけています。

1週間でクマによる人身被害が3件発生したことを受け、県は、緊急の対策会議を開きました。

会議には、県自然保護課や各市町村の職員が参加し、ツキノワグマの出没件数は今月に入ってから27日までで、329件にのぼることが報告されました。

これは被害が深刻だったおととしの同じ時期の257件を大幅に上回っていて、特にクマの生息域ではない、市街地に出没するケースが増えています。

10月24日、クマの人身被害が発生した立山町は。
立山町の担当者「本来、この緊急事態で富山県として捕獲頭数が上限があるっていうのはどうなのかなって思うんですけど」

県のクマの保護・管理計画では、年間の捕獲数の上限が設けられていて今年度は170頭と定められています。

しかし、今月に入ってからきのうまでにすでに50頭を捕獲。今年度では134頭と上限に迫る勢いです。
これについて県は。

県自然保護課 朝山弘康課長「現在非常に危機的な状況ですし、クマが市街地にも出ているという状況ですので、現在130頭を超える頭数ですが、上限数が170ですので仮にこれを超えたとしても翌年度の頭数を含めての管理ですのでとくに超えても問題はございません」
県は、各市町村の捕獲の条件を緩和させるなどクマの出没状況に合わせて柔軟に対応していきたいとしています。

県自然保護課 朝山弘康課長
「市町村も捕獲に取り組んで頂いているところであります。ただそれにも限界はありますので、(住民には)クマが出るかもしれないということを日頃から注意していただきたい」








