07年9月29日 教科書検定意見撤回を求める県民大会 高校生代表
「嘘を真実と言わないで下さい。私たちは真実を学びたい」

『教育と愛国』の斉加尚代監督が、教科書問題を取材する、きっかけの一つとなったのが
沖縄戦の集団自決に関し、日本軍関与の記述が削除された、教科書検定問題です。

『教育と愛国』斉加尚代 監督
「教科書の記述というのは政府の意向によって変えられてしまうんだって。それに対して沖縄の県民の人たちはダメなんだと、史実を勝手に変えてはいけないという声をあげられたという、そこを知っていたので、より一層、今の流れというのは歴史というのは誰のものか、誰が書いているのかっていうそこにも関わる問題だと思うんですよね」

10月15日、那覇市の教育福祉会館で開かれた斉加監督の講演を聞きに来たのは教科書検定問題の、当時の県民大会の実行委員・玉寄哲永(てつえい)さん。

玉寄哲永さん
「斉加さんも別の面で言っておりましたが、1年間で変化を見るとそう変わりは感じないけど20年も経ってみるとこんなにも違いがあるのか、これは教科書1点取り上げても大変。歴史の事実を少しずつ少しずつ政治の世界が食い込んでいって変質させている」

この日の講演会、参加した教職員が語ったのは…

参加した教諭
「実は慰霊の日で平和学習の講師を呼んだ時に、集団自決についても話があって、『なんで教科書にも載っていないのに、なんでそんな講師を呼んだんだ』って、すごくPTA会長の方から直接学校に抗議があって」

揺れる、沖縄の平和教育の一面でした。
講演会に参加した教職員はー

参加した教諭
「なんでこんなに議論がかみ合わないのかなあと改めて感じて、私たち沖縄に住む者は、私の祖父母もそうですけど、沖縄戦の体験が、痛みとしてあるから、歴史を二度と虐げられる人間を生まないために学ぶし、それを生かしていきたいって気持ちがあるんですけど」

参加した教諭
「子どもたちはテレビを見ない代わりに、YouTubeとかSNSとかそういったものを見ることが多くて、そこで得たものが全て。ほかに視野を広げることがなかなか少なくて、そこでフェイクニュースにさらされている現状も多くて、そこが気になっています」