なぜこの映画が多くの人たちの心に刺さるのか。そこにはゆれる沖縄の歴史教育にもつながる現場の危機感がありましたー
2012年大阪・教育再生民間タウンミーティングでの安倍晋三 元総理
「日本人というアイデンティティを備えた国民を作る。政治家がタッチしてはいけないものかって言ったら、そんなことはないんですよ、当たり前じゃないですか」
道徳や歴史教科書をめぐる、政治圧力を描く映画「教育と愛国」

出版労連 教育対策部 吉田典裕さん
「実際は圧力はかかっているけど直した責任は教科書会社にある、そういう制度なんです」
東京大学 名誉教授 伊藤隆さん
「僕は自虐史観と言っている。(教科書は)日本人としての誇りを持てないような記述です」
沖縄戦体験者 吉川嘉勝さん
「集団自決は神話だとかね、こうやられてくる。胸が裂けそうな怒りを感じ出した」
公開5か月で観客動員はおよそ4万人を達成。ドキュメンタリー映画としては異例のヒットとなっています。
シアタードーナツ宮島真一(みやじま しんいち)代表
「(シアタードーナツでも)まもなく1000人超えるっていうところまで来ていて、8年間この映画館をやっていて、このスピード感っていうのは今までなかった感じですね」
『教育と愛国』斉加尚代(さいか ひさよ) 監督
「大阪の先生なんですけど、現役の先生が「自分の苦しみがなんだったのか、この映画に描かれていた」っておっしゃった先生がおられて、私は教育と愛国の世界に生きていると、苦しいけど頑張るって、そうおっしゃったんですね」

権力の道具となった戦前の公教育の反省から、権力から一定の距離をとり、学問の自由を重んじてきた戦後日本の教育。しかし映画では教育への政治介入が、様々な形で少しずつ進んでいく実態が描かれています