長女が父の遺志を継いで手記を本に

その遺志を継いだのが、長女の久美子さん。

(長女 髙間久美子さん)
「ずっと心に『本を出したい』という気持ちがどことなくあって、本を出すきっかけをもらって、ことしやらなきゃ、(亡くなって)10年経つ前にやらなきゃというなんとなく強い思いで、皆さんに助けていただきながら出すことができた」

発売日となった9月25日は、髙間さんの命日。
9年の時を経て、出版された手記に込められた思いとは。

【岐阜・揖斐川町 2023年8月】
(大石邦彦アンカーマン)
「こちらですね、懐かしいな…髙間写真館」

髙間さんは戦後、カメラマンとなり写真館を経営していました。今は久美子さんが継いでいます。

(長女 髙間久美子さん)
「思い立ってからはいろいろと資料を運んでは、広げたままにしてやっていました」

父が遺していたのは、当時の体験の詳細と心情を書いたメモ。
それを書籍にまとめ上げるのが大変だったといいます。

(大石アンカーマン)
「分からないところは赤い字で…」

(長女 髙間久美子さん)
「私が自分で読みやすいように」

(大石アンカーマン)
「これでいうと「平壌」。ここは「ソ満国境」、ソ連と満州の国境ということですか」

より詳しくシベリアでの足跡を辿る資料も作り上げました。

(長女 髙間久美子さん)
「まずはどうやって調べようかなと思って、とりあえず県の図書館に行って調べて」

髙間さんが描いたいくつものスケッチも収めることに。

(大石アンカーマン)
「一日何時間くらいこれと向き合いましたか」

(長女 髙間久美子さん)
「仕事が終わってから、9時から夜中までやることもあれば、涼しいときにちょっとやるときもあれば、時間があると向かってました」

家族に手伝ってもらいながら、やっとのことで本が完成しました。