■もう1人のお母さんみたいな気持ちで、子どもたちに寄り添う

 「無料塾」では弁当も用意し、子どもたちを「学び」と「食」の両面で後押ししています。「食」の支援を担当しているのは、花巻市内で弁当店を営む鎌田牧子さんです。鎌田さんはリユースショップの利用客でした。

(弁当店経営 鎌田牧子さん)
「娘の高校入学でたまたま制服を探していて、問い合わせをした時に(無料塾の)話を聞いて、何かお手伝いができればと」
弁当を届ける鎌田牧子さん。以前は店の利用客だった
 手作りにこだわった総菜が評判のお弁当。この日のメニューは塩麹に漬けた鶏肉のグリルとタコ飯です。
きょうの弁当は「塩麹の鶏肉のグリルとタコ飯」
 午後3時。リユースショップの営業が終わり、「無料塾」が開講します。中学1年の男子生徒が学校を終えやってきました。塾の1期生です。

(多田真弓さん)
「おやつでちょっと休んで、休憩したら勉強しましょう。数学の授業始まった?あとでちょっとそれを見せてもらっていいですか。きょうは国語にしましょう」

 週1回の「無料塾」では、多田さんが子どもたちに寄り添い、学習を見守ります。学校の宿題を中心に、保護者の希望も取り入れながら重点的に勉強する教科を決めていきます。塾には男子生徒の小学5年の妹も通っていて、きょうだいで机に向かいます。

(多田真弓さん)
「第2のお母さんみたいな感じで。帰ってきて、おやつを出して、一緒に家庭学習して。働いてるお母さんたちの助けになれれば」
多田真弓さん自らが勉強を見守る