■経済的な理由では諦めないで欲しい

 この店のオーナーは、ひとり親世帯を対象にした食料支援などを行う団体の代表、多田真弓さん(41)です。多田さんは経済的な理由で塾に通えない子どもたちを支援しようと4月、店の中で「無料塾」を開講しました。塾の運営費には、多田さんが代表を務める団体の活動費や寄付金が充てられています。

(子育て家庭支援団体「こっちゃこ」代表 多田真弓さん)
「学生服のリユースショップをしていると、学生服や小学校の運動着でさえも定価で買えない子どもたちが来る。そういった家の支援をしてあげたい」
「無料塾」を開講した多田真弓さん
 リユースショップは2019年にオープンしました。商品の多くは、卒業やサイズの変化で使わなくなった制服や運動着で、多田さんが買い取ったものを元の価格の3割以下で販売しています。3人の子どもの母親でもある多田さんは、店を始めてから地域の子どもたちへの思いがより強くなったといいます。

(多田真弓さん)
「経済的な理由で勉強ができないことによって、何かを諦めないで欲しい。私にもできることがあるのではないかと思っている」
リユースショップは2019年にオープン
 岩手県が2018年に実施した「子どもの生活実態調査」で、母子家庭に「お金が足りずに断念したこと」を聞いたところ、「家族旅行」「子どもの服や靴の購入」に次いで、「子どもを習いごとに通わせること」と回答する家庭が多くありました。