能登半島地震の被災地でも活用された簡易住宅の「インスタントハウス」。この「インスタントハウス」が、本来は廃棄される予定だった食品を使って進化しようとしています。
円柱と円錐を重ねたような形が特徴の簡易住宅「インスタントハウス」。早く、低コストで施工でき、能登半島地震の被災地にも、およそ250棟が設置されました。
開発したのは、名古屋工業大学の北川啓介教授です。
大学の研究室も「インスタントハウス」!
記者
「広くて大きいですね」
名古屋工業大学 北川啓介 教授
「天井も高めにしています」
「インスタントハウス」は、ポリエステル製のシートを空気で膨らませ、発泡ウレタンの断熱材を吹き付けるだけで完成。実はこのシートと断熱材が、その「独特な形」を支えているのです。
記者
「普通、建物だと大黒柱があるじゃないですか。これはないですよね?大丈夫なんですか?」
名古屋工業大学 北川啓介 教授
「ない方が強いんです。全体で力を受け流す構造になっていて、弱い所がない」
綿密な計算のもと、試作を重ねて完成した、軽くて強い「インスタントハウス」。
北川教授は今、さらなる進化に取り組んでいます。
名古屋工業大学 北川啓介 教授
「値段をもっと落としたい。半額になれば2倍の人に届けられる。それで着目したのが“フードロス”」
まだ食べられるのに廃棄される「フードロス」は世界中で問題に。海外の被災地や難民キャンプに足を運ぶ中で、有効活用できないかと考えたそうです。
実用化に向けた実験の様子を初めて撮影させてもらいました。
名古屋工業大学 北川啓介 教授
「これでハウスを作ります。元々ばれいしょ(ジャガイモ)だったもの。お菓子の工場とか、弁当の工場とかでごみになってしまうもの」
本来なら捨てられてしまう、お菓子のかけらを「シート」と「断熱材」に代わる素材に活用しようと考えているのです。
水と混ぜ合わせて、揉みこんでいくと…
記者
「粘り気すごいですね」
名古屋工業大学 北川啓介 教授
「これが接着剤になる」
お菓子に多く含まれるデンプンが水と反応し、ノリのような粘り気が。これに、布の切れ端や新聞紙などを浸して貼り合わせていきます。一日乾かすと…
記者
「硬い!硬いですね!」
布や古着を重ねれば、能登半島の被災地に届けたものと同じぐらいの強度も実現できるそうです。
名古屋工業大学 北川啓介 教授
「廃棄物だけで家ができるようになれば値段も下げられるし、もっと簡単に作れる。もっともっと身の回りにあるもので、家が作れる世界にしていきたい」
北川教授は、お菓子そのものを断熱材に使う実験も進めていて、年明けには実際にフィリピンで組み立てる計画です。
「インスタントハウス」は食品廃棄物の活用で、ますます広がっていきそうです。
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