<滋賀県大会>
同じく3校に出場権が与えられる滋賀では、滋賀を代表する強豪対決となった滋賀学園と近江による準決勝が、最後の最後までどちらに勝利の女神が微笑むのかわからない、まさに“激闘”となりました。
雨天の影響で、10月5日(日)から10月6日(月)に延期されてナイターで開催されたこの試合で先にペースを握ったのは近江でした。1対1の同点から、5回と9回に滋賀学園の先発・伴田蒼生投手を捉えて5対1と大きくリードを奪います。
しかし、9回1アウトを取ったところで、ここまで好投していた近江のエース・上田健介投手にアクシデント。体の異常を訴えて、急遽、塚脇颯太投手への交代を余儀なくされます。
ここから、滋賀学園が驚異の反撃をみせます。なんと9回ツーアウトから、粘りに粘って4連打、土壇場で5対5の同点に追いつきました。
それでも、近江はタイブレークに突入した10回表の1アウト2塁、3塁から1番・吉田大翼選手が2人を返すタイムリースリーベースヒットを放ち、さらに2番・馬場雄聖選手のタイムリーでこの回3点を奪い、勝負は決したかに思われました。
しかし、滋賀学園もあきらめません。その裏、1点を奪ってなおも2アウト満塁。打席には主砲の4番・吉森爽心選手と、一打同点、長打が出れば逆転サヨナラの場面をつくります。ここで近江は、塚脇投手に代えて杉浦憂志朗選手がサードからマウンドへ、1年生右腕に運命を託します。杉浦投手は、2ボール、ノーストライクとボールが先行する中でも、落ち着いてカウントを整えると、最後は、渾身の投球で吉森選手を見逃し三振。3時間近くに達した大熱戦に終止符を打ちました。
キャプテンの杉本将吾捕手が、「最後は全員の力で勝ち切ることができた。杉浦はボールが先行していたが、いい回転のボールが来ていたので絶対に抑えることができると信じていた」と語った近江。5日に行われた準決勝第1試合で、近江兄弟社に3対2で勝利した彦根東とともに近畿大会への出場権を獲得。
敗れた滋賀学園は、10月11日(土)、近畿大会出場をかけて近江兄弟社との3位決定戦に臨みます。