初期投資に数千万円かかるとも さらに維持費・燃料費も…
松平助教は、役場の反対を押し切ってコメ農家を経験した結果、「野菜は(機械がなくても)頑張れば何とかなるが、水田は機械が絶対必要」と感じたといいます。
初期投資に数千万円かかるとも言われるコメ作り。どれぐらいお金がかかるのか、必要な農機具とその相場(一例)をまとめました。
■トラクター:200万~300万円
■田植え機:100万~300万円
■コンバイン:200万~500万円
■乾燥機:100万~200万円
■籾(もみ)すり機:50万~100万円
■散布機・噴霧器:数万~20万円以上
さらに、松平助教によりますと、農機具は買ったら終わりではなく更新も必要で、燃料費もかかるといい、その燃料費はここ数年で1.5倍~2倍に高騰しているということです。他にも水田のための水路管理や、苗を育てるためのハウスも必要だといいます。
あちこちでコストがかかる一方、コメの収穫は1年に一度しかなく、猛暑などの影響を受けて期待通りに収穫できなければ、収入が減ってしまうことも。
近江八幡市のコメ農家・三宅さんに、苦労が絶えない中でもコメ作りを続ける理由を聞くと「これしかできないっていうのが一番。他の選択をして家族を養える自信がない」と話していました。コメ農家は、コメを主食とする私たちにとって必要不可欠な存在ですが、そのコメ農家がこう語るほど、日本の農業は深刻な状況に陥っているのかもしれません。