水田不要の“新しいコメ作り”!?
一方で、少しだけ明るいこんな話も。コメ作りというと水田が必要ですが、今、畑で作る「乾田直播」(乾いた田んぼに直接種をまく)という、新たなコメ作りが注目されています。
日本の田んぼの4割は、実は使用されず眠っている状態で、そうした田んぼを畑のようにして使う試みがあるということです。乾田直播は特殊なカビを付着させた種もみを直接畑にまくという方法。このカビによって根を成長させ水や養分を取り込む力を大きくすることで、従来の水田が不要になるといいます。他にも、用水路・田植え機・苗を育てる手間が不要になるため、田植えにかかる労働時間が3割減ると言われています。メーカー曰く、種をまく量としては苗よりも多いものの、コストは変わらないということです。
実は、縄文時代から存在していた乾田直播。畑で栽培するコメ「陸稲(りくとう/おかぼ)」と呼ばれますが、味がイマイチであまり広がらなかったようです。しかし、近年は改良が進んでいて、メーカーによりますと、今では水田のコメと変わらないクオリティーだということで、今後、広がっていく可能性もあります。
さらに温室効果ガスを減らす効果も。水田の場合、水分を含んだ土の中で細菌が枯れた草などを吸収・分解し、メタンガスを発生させますが、乾田直播だとそれを防げるということです。新たなコメを私たちがどう許容するかというのも、日本のコメ農家を守る一つの視点かもしれません。