「コメはやるな!」一体何がそんなに大変?

 過去に農業に携わった経験がある松平助教は、過去に“新たに農業をやろう”と役場に相談した際、「コメはやるな!」と言われたということです。自治体職員から「やめとけ」と言われるほどのコメ作り、一体何がそんなに大変なのでしょうか?滋賀県近江八幡市のコメ農家・三宅寛穂さん(53)を取材しました。

 27ヘクタール(阪神甲子園球場約7個分)という広大な面積でコメを作っている三宅さん。田植えなどの作業は、家族総出でも人を雇わざるをえないといいますが、人件費や機械の高騰が重くのしかかります。

 ほかにも広さ分の肥料など、とにかくお金がかかるコメ作り。1年に1回しか収穫できないため、冬にはキャベツなどほかの野菜を育てることで年間の資金繰りをしていて、休みはないといいます。さらに、台風や干ばつの影響を受けることもあり、収穫がうまくいくとは限りません。
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 “コメ不足”と言われている今の状況を、三宅さんはとても歯がゆく思っているといいます。

 (三宅寛穂さん)「僕はまだ53歳で、僕ら世代もまあまあいるんですけど、僕の一回り上とかも多いですし、後継者のいない地区では高齢化問題もあると思う。いきなり『収穫量を上げろ』と言われても、僕らは今が(金銭や体力的に)限界の状態でやっている中で、『これ以上生産量を増やせ』は無理な状態」

 そして、本当は、おいしいコメを大勢の人に食べてもらいたいと話します。

 (三宅寛穂さん)「ちょっとぐらいコメが上がってもらったほうがコメ農家としては(収入面では)助かる。でも、消費してもらわないと(作っている)意味がないので、もう少しだけ皆さんに我慢していただいて…という状況」