「さっぱりしてもらって良かったね」
この日も1件の依頼が入りました。三重県内の葬儀場へ向かいます。亡くなった方がどんな髪型だったのか、現地に着くまでわからないことも少なくありません。
(小山さんの娘 美寿々さん)「失礼いたします。ご納棺に参りました」
藤井美代子さん。老衰のため98歳で亡くなりました。

(小山辰己さん)「子どもさんに髪の毛を切ってもらいたい。よろしいですか?」
まずは遺族の手で髪にハサミが入れられます。

月に1度の美容室通いが何よりの楽しみだったという美代子さん。しかし、晩年は体調を崩し通えていませんでした。
(娘の弘子さん)「さっぱりしてもらって良かったね」
今回依頼をしたのは娘の弘子さん(71)です。

(小山辰己さん)「どういうお母さんだったんですか?」
(娘・弘子さん)「厳しかったですよ。私は女ひとりだったので」
カットを終えると体を清める湯かんへ。
(小山辰己さん)「トリートメントもしておきますね」
(小山さんの娘 美寿々さん)「お風呂入るだけで違いますからね」

頭皮を優しくマッサージすることで表情が和らぎ、穏やかな顔立ちになると言います。