「最近は子ども食堂の運営が困難に…」
こども食堂は年々増加傾向にあります。県内でもここ5年間で2倍以上に増え、全国では現在、7000か所以上で開かれています。

社会的ニーズが高い「こども食堂」。ただ最近は、運営が困難になってきています。原因は物価の高騰です。
戸破地域振興会・瀨木昭博会長:「コミュニティセンターを利用しているので光熱費等々は必要ない、会場費はないということですが、それ以外のところを考えると赤字は間違いないのかなと」

このこども食堂は地元のボランティアが運営するため人件費はゼロ。コメや野菜は寄付でまかなっています。

ただ肉や魚、調味料などは購入しなければいけなく、1度の開催にかかる経費はおよそ2万5000円。1年前に比べて2割以上増え、メニューにも影響が及んでいます。

メニュー担当・石黒朱美さん:「なるべく鶏肉とかコストの安いお肉を選ぶようにしています。子どもたちの笑顔が私たちにとってはお土産なんですよね。高齢者のかたもいらっしゃいますのでその方々が喜んでもらえるのであれば、なるべく食材はケチりたくないないんですよ」

このこども食堂は立ち上げ時に冷蔵庫や机など備品購入のための準備金が県と射水市からそれぞれ10万円支給されました。ただ、食材の購入にかかる運営費について支援も薄く、不足分は地元振興会や社会福祉協議会が補っていたのです。
利用者:「子どもさんたちにとってはいい環境だと思うからずっと続いてほしいとは思いますけど・・・。値段が非常に抑えられているので、そこもすごくありがたく、なんとかそういったところ・・・値段はキープはしてほしいなと」

この現状を踏まえて県は新年度の当初予算案に物価の高騰対策として603億円を計上。また、こども食堂を支援するため、1団体あたり上限5万円支給するとしています。
射水市戸破地域振興会 瀨木昭博会長:「本来はこういうこども食堂が必要なくなる時代がくれば一番いいんでしょうけど、それまでは地域で支え合っていくことが大事なこと。色んな引きこもりの子ども、ヤングケアラーの方たちもなにかの機会にここに来て、一緒に食事をするようなことができれば、さらに輪が広がっていくんじゃないかなと」

子育て支援、地域の交流の場として必要とされるこども食堂。より活動を広げるためにも今後、さらなる行政の支援が不可欠です。

戸破地域興会 瀨木昭博会長:「私達はまだ環境が恵まれた中でも赤字運営で他の運営団体はもっと厳しい状況に置かれている」
県や射水市のスピード感のある対応が期待されます。