県は11日、医療提供体制のひっ迫が想定されるとして本島内の市町村と八重山圏域に「コロナ感染拡大警報」を発表しました。救急医療の現場はどうなっているのか?また、私たちはどんな意識を持ってこの夏を過ごせば良いのでしょうか。

玉城知事
「このままですと、救急医療を維持できない状態に なりかねません」

11日の会見で危機感をあらわにした玉城知事。夏本番を迎えた今、新型コロナウイルスの感染が急拡大しています。県内では先週から1日に報告される感染者の数が2000人台となる日が相次いでいます。

新型コロナ専用の病床使用率は、本島が61%、八重山が72.7%と入院調整が困難になるとされる60%を超えています。県は、医療のひっ迫が想定されるとして、本島内の市町村と八重山園域に「コロナ感染拡大警報」を発表しました。

救急医療の現場はどうなっているのでしょうかー

中部病院 椎木創医師
「今実は入院する人よりも軽症なんだけど、つまり入院が必要ないけど救急室を受診しちゃうっていう人の数がとてつもなく増えてるんですね。救急センターが今もう倒れかかっているんですね」

こう話すのは、県立中部病院の椎木医師。
本来、一分一秒を争う重篤な患者を救うための救急センターに新型コロナの軽症者が
殺到しているといいます。

椎木医師
「入院は必要ないけど受診したい。受診して薬が欲しいっていう方がとっても多い。本来救急センターで診なきゃいけない命に関わるような緊急の病気の方を診るというマンパワーが取れなくなってしまう。非常に危ない状態になっている」

こちらは今月上旬に撮影された映像です。救急センターを受診しようと何台もの車が並んでいます。出入り口には5時間待ちの表示。台風が接近した日は、雨の中、屋外で対応する医療スタッフの姿もー

椎木医師
「コロナを疑われる方が多いので、風雨の中でもそういう車待ちの方のところに救急室のスタッフが行ってっていうと非常に危ないところでの診療しなきゃいけない。どちらかというと内容の負担の方が非常に大きくなっている」

椎木医師によると最近では土日に限らず、平日にも1日に100人ほどの患者が訪れるといい、県立中部病院では、一般外来の一部を電話診療にするほか地域の開業医にコロナ診療の
協力を求めるなど対応にあたっています。

椎木医師は、基本的な感染対策を徹底した上で、事前にかかりつけ医へ相談するなど適正な医療資源の活用を呼びかけています。

椎木医師
「7月から8月、さらに強い波が来ることはもう当然予想されるだろうと思います。そのかかりつけ医であったりとか、お近くのクリニックの先生と相談しながら診療し、地域の医療のリソース(資源)ですね、そういったものを皆さんで上手に使い分けていただきながら、そのコロナも波を乗り切っていく」

救急医療を守るためにも症状が軽い場合は、「まずはかかりつけ医に相談する」という
意識が必要だと思います。県は本島内の市町村と八重山圏域に「コロナ感染拡大警報」を         発表し、今月24日までの期間、次の4つを呼びかけています。

①人が集まる場所でのマスク着用と換気。
②長時間にわたる密集を避ける。
③発熱やのどの痛みなどの症状があるときは外出を自粛。
④ワクチン接種です。

夏のさらなる感染拡大を防ぐため、熱中症に注意しながら対策を講じていきましょう。