JR東日本は26日、長野市で、廃車のため解体した電車の部品を、石綿を取り除かないまま鉄屑として売却していたことを明らかにしました。
JR東日本長野支社によりますと、7月と8月に、長野市の長野総合車両センターで行った廃車に伴う185系電車の解体作業で、座席の下に備えられている腰掛電気暖房器に使われている、石綿・アスベストを含む絶縁テープやパッキンを取り除かないまま、鉄屑として民間業者に売却していました。
解体されたのは12両で、合わせて380個の腰掛電気暖房器があったということで、本来は、分別した上で、石綿含有産業廃棄物などとして処理する必要がありました。
JR東日本では、部品を破断せずに取り外したことや、売却先でも解体せずに、高温で処理していたことなどから、周辺の住民や環境に影響はないものと判断しているとしています。
長野総合車両センターで185系の廃車解体作業が行われたのは、2022年以来で、それまでは、適切に処理されていたということです。
適切に処理ができなかったことについてJRでは、今回の作業を行う委託先との契約書を作る際に、石綿を使用していない別の車両のデータをもとにして作成したことから、処理についての指示が漏れてしまったとしています。
9月に、185系の座席の図面を見た際に、石綿が使われていることが分かり、JRでは、労働安全衛生法に抵触することから、長野労働基準監督署に報告し、このほど再発防止を求める指導を受けたとしています。














