公害問題で登窯の使用が禁止に やちむん守った職人たち

比嘉立広 学芸員
「単室登り窯というもので、中がトンネルのようなひとつの空間になっていて、手前から火をつけて奥の煙突から煙が抜ける構造になっています」

やちむんの土台を着実に作り上げてきた壺屋ですが、1970年代、薪によって発生する煙が公害問題として全国で取り上げられ、那覇市の条例で登窯の使用が禁止に…

職人が1人また1人と壺屋を離れる中、300年以上根付く窯元のひとつが「育陶園」。7代目を筆頭に、およそ20人の職人がやちむん作りに励んでいます。

7代目 高江洲尚平さん
「どんなに時代が変わっても、この場所でずっと焼き物をやり続けているんだよという証明と言うか」

現在壺屋ではガス窯を中心に制作されている壺屋焼。最初に導入したのが育陶園と言われていて、時代と共に手段は変わってもあらゆる発想で伝統を守ります。

育陶園こだわりの技法は「線彫」。下書きをせず、彫刻刀で柄を掘るため熟練の技が必要です。