秋田県でクマに襲われている70代の夫婦を助けに来た30代の男性が亡くなりました。クマによる死者は10人になり、統計開始以降、最悪です。富山県では自宅の庭にいた女性が襲われ、顔面を骨折する重傷です。

村の中にいる人も、自宅の庭にいる人も、クマに襲われました。

秋田県の南東にある東成瀬村。消防によりますと、24日午前11時すぎ、「クマに襲われている人がいる」と通報が入りました。現場は村役場から500メートルほど離れた住宅や畑が集まるエリアです。

70代の夫婦が外で作業をしていると、クマが現れ2人を襲撃。まもなく男性2人が助けに来ましたが、クマは、その2人にも襲い掛かったとみられます。

クマは、その後、山林に姿を消し、襲われた4人は病院に運ばれましたが、夫婦を助けに来た佐々木喜行さん(38)が亡くなりました。死因は顔面の損傷による低酸素脳症。佐々木さんの父親と最初に襲われた夫婦は頭部のけがなどで重傷です。

今年度、クマに襲われて亡くなった人は10人に。統計開始以降、過去最悪だった6人をすでに超えています。クマは、その後、猟友会に駆除されました。

駆除に参加したハンター
「相当騒がしい中でクマが木の裏の辺りで休んでいたのは、ほとんどあり得ない状況。世の中が変わったのか、危険な状態に来たのか」

警察などは、このクマが4人を襲ったクマと同じ個体か調べることにしています。

自宅の庭にいた人もクマに襲われています。富山県立山町では、庭の木を剪定していた70代の女性がクマに襲われました。女性はクマにひっかかれ顔面を裂傷。顔の骨も折っていて重傷です。

通報した人
「そこにふらふらと(女性が)歩いていたので、『危ないよ、家に入られ』と言おうと思ったら、もう襲われた後だったみたいで、千鳥足でふらふらだったので。顔を手で押さえていて、血がボタボタだった」

直前には、近くの民家の裏庭でも成獣のクマ2頭が目撃されていました。

クマを目撃した人
「12時だから天気もいいし大丈夫だろうと思って出た。本当にびっくりした。ぞっとしますね、本当に大きかったので。さすがに散歩できないですね、怖くて」

山形県小国町ではクマが獲物を襲う瞬間が撮影されました。21日未明、クマが金網を破って鳥小屋に侵入。素早い動きで次々とヒナドリに襲い掛かっています。真後ろにいる獲物の動きにも、すぐに反応し…。襲われたのは山形県のブランド地鶏「やまがた地鶏」。36羽のうち34羽が食べられました。町内では23日にも別の鳥小屋が襲われていて、あわせて200羽近いブランド地鶏が被害に遭いました。

報告
「午後2時36分、大きな銃声が鳴りました」

ヒグマの出没が相次ぐ札幌市の公園です。24日午後0時半ごろ、再びヒグマが目撃されました。

札幌市は「市民に緊急の危険があり、銃猟以外に危険を排除できない」として、自治体の判断でハンターが発砲できる「緊急銃猟」を発動。ヒグマ2頭が駆除されました。緊急銃猟による駆除は、北海道で初めてです。

秋は冬眠に向けてクマが活発に活動する時期。これまで以上の注意が必要になっています。