法律で定められた額を超えた利息をつけて融資を行う、いわゆる『ヤミ金』。このヤミ金業者による被害相談は、全国では2019年に6690件あったものが、2022年には4047件に減少している一方で、沖縄県内では134件から345件と増加の傾向にあります。ヤミ金の問題が深刻化している沖縄。その被害者を通してヤミ金被害のリアルに迫りました。
「法律違反が分かって借入れしているんだろ」 恫喝するヤミ金業者

【ヤミ金業者と債務者の電話の音声】
安里さん(仮名)「そちらが高利貸しじゃなければ〇〇署まで来られますよね」
ヤミ金業者「頭悪いのかオイ。わざわざ捕まりにいく馬鹿がいるか。お前が払う気ないならこっちはトコトンやるからな、お前の顔写真も押さえて、子どもの顔も押さえているからな」
安里さん(仮名)「弁護士にも話をしているので」
ヤミ金業者「法律違反が分かって借入れしているんだろ、最初で話しているよな」

これは法定外の高い利息をつけて融資を行う、いわゆる『ヤミ金』業者と、債務者のやりとりを録音したものです。
安里さん(仮名)「もう本当に安易な気持ちです。もう絶対これくらいなら返せるという本当に安易な気持ちから借りてしまったことが、もう本当に地獄の始まり」

今回RBCの取材に応じた安里さん(仮名)さん。2年前にヤミ金に手を出したきっかけは、見覚えのない番号からかかってきた一本の電話でした。
安里さん(仮名)「本当に突然080のこの番号からかかってきて、まあ普通にとって、とったらなんか『融資受けませんか?』みたいな感じであって。最初は一旦断ったんですよね。でもちょっと時間をおいて、少し生活費が足りないかなと思って、じゃあ5万円だけお願いしますと。ヤミ金融だなって分かってたんですけど、5万円だったら返せるかなって、翌月返せるかなと思って融資受けたって感じです」
当時の収入で家計のやりくりはできていたというものの、金があるに越したことはないとして「生活費の足しにしたらいいか」と、ヤミ金から金を借りるリスクを深く考えていなかったという安里さん。
指定された場所に行くと原付バイクでやってきた男が、安里さんの車の助手席に乗り込み、融資の説明を始めました。