「財源」「管理」の課題をどう解決?うるま市の取り組みの裏側を解説

(下地キャスター)
元々必要だと叫ばれていた教員の働き方改革に対してうるま市は2017年から外部指導者の導入を検討し始めてその課題を話し合ってきた。それが、「地域移行」の準備がいち早く進む、流れにつながっていると言えます。

(田久保キャスター)
長年教員の皆さんに頼っていた部活動なだけに変革は大変な作業だと思いますが、驚いたのが、うるま市の外部コーチの時間単価が3000円と一般的な報酬の2倍ということですが、財源はどうなっている?

(下地キャスター)やはり専門的な指導に見合う単価を払わなければ人材も集まらないだろうということで、この価格になっています。その財源は市の一般財源にプラスして、うるま市は地域移行に特化した『企業版ふるさと納税』を導入しました。

この制度、企業が寄付をしたときに税額控除がうけられる仕組みで、うるま市はこのふるさと納税によって、2021年度およそ1500万円の歳入を得ています。
ただ民間から寄付を集めるだけではなくて、寄付した企業にもメリットがある。そんな仕組みを作っているんです。これによって子どもたちの経済的負担を増やさないようにしています。

そして外部から指導者が入ってくるとき、その施設の「管理」という点でも課題が出てきます。

例えば体育館の「合いカギ」を増やしていくというのは、セキュリティ上のリスクがあるし、そのために教員が休日出勤するのは働き方改革にならない。そこで、うるま市の具志川中学校に設置されているのが『スマートロック』なんです。

このスマートロック、体育館の利用者が予約システムから体育館の利用を予約すると必要な暗証番号が付与されて、暗証番号を入力するだけで鍵の開け閉めができるようになります。
このようにICTの導入で「管理」の課題克服も進められているんです。

国は今年度から3年間を、休日の部活動の地域移行の改革推進期間と位置付けています。そんななか30の部活動に外部コーチを配置するうるま市は、今年9月から、そのうちの15の部活で、休日の部活動が完全に地域に移行するということです。また一部可能なところでは、平日もその指導が地域に完全移行されていきます。

部活動改革は大変な作業だと思いますが、子どもたちの練習環境を整えるという点でも、待ったなしの改革です。うるま市の動きは、全国的なモデルケースになりそうです。