
実は、栽培方法が確立されていない田芋。栽培は一筋縄ではいきません。
▼金城真海さん
「外から見て絶対芋入っているなと思っても、1年後に掘ったら全部病気、全部腐れ(腐った)もの、全部廃棄物になったのがまさに今年。イチかバチか安定した生産が難しい」
今期の収穫では、栽培した田芋のうち約90%を廃棄。田んぼに立ち入ると根が傷ついて芋が腐るため、植え付けから収穫までの間、生育状況が確認できないません。
その上、全て手作業で行われる田芋栽培。夫・貴興さんは、収穫を効率化させようと自作の農機具を作りましたが失敗に終わったといいます。

周囲の反応は…。
▼夫・貴興さん
「見たことないようなことをやっているんで、大丈夫かな?みたいな感じじゃないんですかね」
栽培方法を模索し、金武町に新しい風を吹かせている金城さん夫婦。収穫直後に冷凍することで、1年を通して出荷される田芋は、県内外の飲食店に提供されています。

▼女性客
「年中食べています。夏は当たり前の様に食べていて、寒い時に食べるのも美味しくて」
田芋田楽が載ったかき氷は店の人気商品。
▼男性客
「田芋とのマッチがすごい」

真海さんはたちは食用としてだけでなく、田芋の新たな可能性に注目しています。この日、2人の元を訪れたのは草木染め作家の由花さん。
▼草木染作家・由花さん
「煮汁がもったいないから、染められないか相談を受けた」

糸を煮汁と染料を染み込ませる液に、交互に漬け込みます。白色の糸がターム色に染まりました。
夫・貴興さんと共に田芋の安定した栽培方法と新たな可能性を模索する真海さん。その熱意の根源を聞きました。
▼金城真海さん
「田芋が好き。ただ好き。田芋は昔から沖縄の主食作物で、これが衰退しているのが現状。昔田芋がつないできたからこそ今がある。今度は自分たちが田芋をつなぐ番」
金武町を訪れると、試行錯誤しながらも、夫と二人三脚で田芋産業の未来をつくろうと前進する女性に出会いました。
