「この給料で命張れない」との声も 現役自衛官 必要なのは“兵器より人”

入隊10年以上の現役自衛官が、番組の取材に応じた。今、自衛隊に必要なのは、兵器よりも人だと強調する。

現役自衛官
「どんな優秀な兵器が揃っていても、それを動かすのは人。人が足りなければ国は守れない。予算はすぐにつくものじゃないから、とりあえず買っておこうと。人は後から何とかすればいいやと考えているようにしか思えない」

自衛隊の人手不足は深刻だ。自衛官の人数は長年定員に達せず、2024年には充足率が25年ぶりに90%を割り込んだ。

採用人数は2023年、募集計画と比べて過去最低の51%を記録。政府は待遇を改善することで、人手不足の解消を目指しているが…。

現役自衛官
「(部署によって人手が)足りているところもあれば、ブラック企業のごとくしょっちゅう募集をかけている(部署もある)。仕事を覚えたばかりの隊員が継続しないで辞めてしまう部署がある。パイロットとか航空管制とかもそうですけれども、能力が高い人間をずっと錬成して、やっと戦力になる。そこに行き着くまでにすごい年数がかかる」

現場が必要としているのは、最新鋭の戦闘機よりも日頃の訓練で使う装備品だと話す。

現役自衛官
「(自衛隊は)弾が全然足りない。アメリカ軍だったらどんどん弾撃って訓練するところ、日本は祈るかのごとく狙って、一発に込めるあまり時間かけすぎるのはどうなのかと。実戦のときにそれでいいのかなと。日本軍からの流れで『弾を愛護節用(あいごせつよう)せよ』というのがある」

そして、こう訴えた。

現役自衛官
「超円安で、お高い兵器を買うお金は一体どこから湧いてくるのかと。『我々の給料上げてくれ』と言う隊員もいます。『この給料で、この命は張れない』、『家族を食べさせるために働いてるだけだ』と。『事に臨んでは危険を顧みず』という、(自衛隊法の)“服務の本旨”があるんですが、それはあくまでも建前で」

ーー有事があった場合、どうされますか?
「私はもちろん、この制服を着る限りは(逃げずに)やりますけれど」