高市政権の発足直後ということもあり、大方の予想通り、日銀は6会合連続で政策金利の据え置きを決めました。直前に来日したアメリカのベッセント財務長官による「利上げのススメ」は完全に無視された格好で、為替市場では一段と円安が進みました。植田日銀は、目論見通り、この冬の利上げにたどり着けるでしょうか。

今回も2人の委員が利上げ提案

日銀は、10月30日、政策金利を0.5%で据え置くことを決めました。決定会合では2人の委員が「概ね物価目標を達している」などとして反対、逆に0.25%追加利上げの提案を行いました。構図は、前回9月会合時と同じ、その意味で利上げ派への同調は広がりませんでした。

あわせて日銀は、経済・物価の見通し(展望レポート)も公表しましたが、消費者物価の見通しは、7月公表時と全く変わらず、認識も、政策もいわばフリーズ状態だと言えるでしょう。

元来、金融緩和論者で、金融政策についても「責任は政府にあり、日銀はその手段を決定するもの」と主張する高市総理大臣の誕生で、いきなり利上げが行われるとは考えられず、結論としては、大方の予想通りで、「常識的」だったと言えるかもしれません。