「そもそも殺すでしょ?」消費者の声を受けて「殺虫剤」→「虫ケア用品」に
―――これまでは「殺虫剤」と呼んでいたのを「虫ケア用品」に変えましたよね?
「虫ケア用品」のトップメーカーとして自社の売り上げや利益を上げることは考えないといけませんが、カテゴリートップメーカーは、カテゴリー全体をどう伸ばしていくかも責任を負っていると思うんです。その中で「殺虫剤」について調査した時に「殺虫剤は使いません」という人が一定数いたんですよ。「何故ですか?」と聞くと「そもそも殺すでしょう?」と。 「あまり体に良いわけないですよね?」とか。「そもそも殺すという字が入っているのが嫌です」という人が一定数いました。
―――名称で製品を敬遠するケースもあるんですね?
マーケットを伸ばすには、使ってない人に使っていただくという大原則があります。そう考えたときに「殺虫剤という呼び名を変えたらどうか?」ということになりまして。ただ、私が言ったのは「虫を対象にする製品なので、呼称に虫はついたほうがいいよね」と。全く違う名前に変えて「なんのこっちゃ」となっても具合が悪い。それと定着する条件のひとつに「わかりやすさ」がありますので、虫がついて短い呼称が良いということで「虫ケア」になりました。
―――最近は、蚊やハエなどが随分、減ったように思うのですが?
道路事情や家、いわゆるインフラが 格段によくなっているので当然、害虫は減ります。 でも、いなくなったからこそ一匹がとても気になりませんか?いまは、害虫を殺すのが先決という人の感覚から「一匹でも見たくない」に 変化しています。裏を返せば見る前に予防しておこうと。ですので、虫の数だけがマーケットに寄与するものではなくて、いまの変化に対応できればお客さまのニーズに応えられます。














