突破口は日本古来の技術『指物』 宇宙環境に耐えうる強度を獲得

 木は真空の環境にも強く、宇宙には湿気や虫など木を劣化させるものがないため、材料に適していると考えました。しかし、温度変化で伸び縮みするため、ボルトやネジを打ち込むと割れるリスクがあります。

 突破口は、日本古来の技術にありました。滋賀県大津市の木工工房『黒田工房』。釘やボルトを使わない『指物』とよばれる技術で家具などをつくっています。
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 (黒田工房 臼井浩明代表)「こういう凸凹があって。板を(穴にはめて)ぎゅっとずらして寄せる。組んでしまうと座ってもびくともしない」

 力のかかる方向などによって凹凸の形や組み方を変え、強度を保ちます。この技術を使うことで、温度変化の激しい宇宙環境でも耐えられるようになったのです。