戦時下の「学校日誌」に書かれた黒塗りしても消せない歴史

23ジャーナリスト 須賀川拓 記者
「明治44年ですね。少し緊張しますが…」
『明治四十四年 五月九日 晴天 児童ヲ引率シテ濱辺ヘ遊ビニイタ』
『明治四十四年 五月十日朝 晴 今日モ一人デ随分多忙デアッタ』
須賀川記者
「先生もワンオペでしんどかったんですね」
『大正六年一一月五日 晴天 朝礼式ニ無作法アリ訓戒ス』
須賀川記者
「校長先生の話を聞かなかったのか、ぺちゃくちゃお喋りをしていたのか。いつの時代も小学生はやることが同じですね」
また、天皇の崩御やスペイン風邪の流行など社会的な出来事も記録されていました。日誌を読み進めていくと、次第に不穏な空気も。

須賀川記者
「少し今ドキッとしましたね、黒塗りがいきなり見えると。戦争の当時の空気感というか」

日中戦争が始まった1937年ごろから墨で黒く塗られた部分が増えていきます。日の丸のイラストも塗りつぶされていました。

須賀川記者
「『徴兵検査』って書いてあるんですよ。黒塗りしても歴史は消せないですからね」
墨塗りされたのは戦争を想起させる言葉たち。
『海軍記念日』(1937年・昭和12年5月27日)
『日独伊三国同盟』(1940年・昭和15年10月11日)
『防空壕堀』(1945年・昭和20年5月3日)
須賀川記者
「『敵機多数上空旋回』。学校の上を?なるほど…」