月に1度女性に訪れる生理。その痛みやつらさは個人差があり、女性同士でも理解できない部分もあるとされています。こうした中、女子高が「きょうオレ生理!」という名目で、男子高生の生理の疑似体験を企画しました。初めての生理経験を通して感じた女性のリアルとは。
男性にも分かってほしい「女性の生理」
沖縄県石垣市の八重山高校で行われた、総合学習の時間。男女が一緒に行っているグループワーク、その机の上にあるのは生理ナプキンです。

八重山高校 翁長あかりさん
「私は(生理が)重い方ではなく、女子でも生理の程度があり、薬でどうにかしている子もいたり、休みたくなるくらい辛いという子もいる。女子同士でも理解が進んでいない状態があります。男子はなおさら厳しいと思い、男女ともに理解を深められるのかと」
タブー視されがちな「生理の問題」。この問題を男女の垣根なく考えようと、翁長あかりさんを含む女子生徒のグループが「男子生徒の1日生理体験」を実施しました。
参加したのは12人の男子生徒。ワセリンと水を混ぜあわせた『疑似経血』をナプキンに含ませて着用します。あえて体育など体を動かす授業が組まれている日にちに実施するなど、月に一度、女性だけが体験している違和感や不快感を、1日かけて体験してもらいました。
疑似生理体験を終えた後に行われたグループワークでは、男子生徒たちが率直にその意見を口にしました。

疑似生理体験をした男子生徒
「月曜日の朝に(ナプキンを)つけると聞かされて心構えがあったが、女子のみんなはそういうのもなく突然やってくるということも感じて、これが夜中も、1日中出続けることを学んで、僕らがやった体験はほんの一部で、何倍も苦しいのだと思い、改めて互いに体をいたわりあった生活をしたいと感じた」
「この体験を通して、うわべだけじゃなくて、本当の大変さを知ることが出来た」
あくまで着用感を体験しただけで「痛さや倦怠感など本当の女性の辛さはまだ分かっていない」としたうえで、男子生徒たちはこれまで漠然としか分からなかった女性の気持ちを、感じ取ることができたようです。
八重山高校 翁長あかりさん
「これまでは互いに聞いていいのか、言っていいのかっていう空気感があった。遠慮している感じがあるので、こういう取り組みで体験をしてもらって、意見をもらうことは、この空気を打破するためにはとてもいいのではと思う」