猫の保護活動に取り組むNPO法人の運営が悪化し、およそ500匹の保護猫の今後が危ぶまれています。
元スタッフは今の代表では立て直しは難しいとして代表の解任を求めましたが実現せず、今後も同じ代表の下で再建が進められることとなりました。
こうした事態に陥ったのか原因と保護猫の今後を取材しました。

部屋に並べられた狭いゲージの中に押し込められた猫たち。今、この猫たちの今後が危ぶまれています。

20年以上前から捨て猫などの保護活動を続けてきたNPO法人『動物たちを守る会ケルビム』。県内で動物病院や猫カフェを運営してきましたが経営が悪化し、スタッフの給料の未払いが続くなど、今月までに18人の従業員が退職、病院は閉鎖され猫カフェも休業を余儀なくされています。

NPO法人ケルビム 中村史佐代表「(従業員の)みなさんにご迷惑をおかけして本当に申し訳ないと思います。私が身銭を切るという、本当にそういう事で償っていかないと申し訳ないと思っている」

こうした状況の中、元従業員らは会見を開き危機的な状況を訴えました。

元従業員「やっと何度かお願いして支払われたのが5000円とか、ガソリン代がないからってガソリン代とかって」
元従業員「明日から食べるものがないのでお願いしますとラインで催促して、何回もお恥ずかしい言葉を言ったにもかかわらず、給料の未払いがありました」

元従業員らによると給料の未払いはおよそ10年前から慢性的に発生していて、合わせて1000万円に上るほか、負債も1億円以上抱えているということです。

NPO法人にゃいるどはーと 東江ルミ子代表
「人手がない状況だったので、本当は200匹ぐらいだったらよかった。猫を里子に出したら保護していかないと、受け入れるだけだと増えていく一方だから」

元スタッフらと共に会見を開いた関東のNPO法人『にゃいるどはーと』の東江ルミ子代表は、運営悪化の一番の要因について限界を超えた数の猫を受け入れてきたことだと指摘します。

NPO法人ケルビム 照屋直二監事「(代表が)彼女のままでは人は減っていく。これでは経営改善、借り入れ金の返済どころではない。このままでは人も猫もつぶれる」