慶良間諸島の北西にある粟国島。火山活動による特異な景観など沖縄県内においても他の離島とは異なる風景が見られます。その粟国島を旧正月の時期にあわせて3日間を取材。一晩中踊りを披露する個性的な伝統行事を体感してきました。

粟国島の旧正月行事「マースヤー」

那覇からフェリーで2時間の粟国島。今回は、周囲およそ12キロの小さな島に詰まった豊かな歴史文化を探しに出かけます。案内人は粟国村観光協会の四方正良さんです。

粟国村観光協会 四方正良さん
「明日、旧暦の大晦日になるんですけど、もしかしたら、粟国島のなかで一番にぎやかな日になると思います」

この日は、島が最もにぎやかになるという、伝統行事「マースヤー」の前日です。

比嘉リポーター「三線の音色が聞こえてきましたね」
四方正良さん「ちょうど、明日の本番のために最後の練習をやっていると思います」

集会所では、練習が行われていました。

糸洲さん(89)
「『いやさっさ』は自分で、囃子は自分で」

指導に熱が入っていたのは、今年89歳になる糸洲さん。

糸洲さん(89)
「正月はこれが一番楽しみ。勝負みたいに。こっちがいい、踊りが上手(と言って)」

マースヤーは、集落の字単位でおこなわれます。11の字、それぞれに踊りや衣装など特色があるそうです。旧暦の大晦日、マースヤー当日を迎え、港は帰省客で大にぎわいです。

Qマースヤーの何が楽しみ?
帰省中の女性
「踊りがすごく楽しい。これをみんな、見にくるんじゃないの」

夕方。進学や就職で島を離れた人たちも加わって、マースヤーの支度に取り掛かります。

本島の高校に進学している 糸洲わこさん(高2)
「マースヤーで帰ってきました、きょう。たのしみです、(来週)テストあるんですけど、いいやと思って」

那覇在住 太田勝子さん(72)
「欠かしたことない。中学校卒業したら十五の旅立ちで(島を)出るんですけど、私は学校休んででも来ました」