立憲・公明の新党「中道」で広がる衝撃
政治の世界では、政権側が強引な手法をとると、対立する野党が強い対抗措置に出る場合がある。政界の「作用vs反作用」である。
高市氏の攻勢に押され気味だった野党側が、反撃に出た。高市氏が自民党総裁に選ばれた直後に、公明党は自民党派閥の裏金問題への取り組みなどを不満として自民党との連立を離脱、立憲民主党との連携を模索していた。
背景には、公明党の支持母体である創価学会内で強まっていた高市氏のタカ派体質への反発があった。
当初は総選挙で互いの候補者を支援し合う選挙協力が話し合われたが、解散時期が迫る中で、立憲と公明との「新党」結成が望ましいとの考えが急浮上。1月15日に野田佳彦代表と斉藤鉄夫代表が会談し、新党結成で合意した。
公明党票が自民から「中道」へ
両党は(1)公明党は総選挙の小選挙区では候補者を擁立しない(2)公明党の現職は比例区の統一候補となる(3)小選挙区では新党の候補者の当選に向けて全力を挙げる(4)参院や地方議会で両党の議員が所属するための立憲民主党、公明党は当面存続する――などを確認した。
新党は「中道改革連合」(略称「中道」)とされた。共同代表となった野田、斉藤両氏は「日本政治の右傾化が進む中で中道・リベラル勢力の結集を旗印にする」と強調している。
「中道政治」は、2023年11月に死去した池田大作・創価学会名誉会長が唱えていた考え方でもある。創価学会員にとっては、総選挙で新党「中道」を支援することは池田氏の理念を実践することにもなり、熱量が高まるだろう。
26年前に始まった自公連立によって、選挙活動で公明党・創価学会に依存してきた自民党にとっては衝撃的な出来事である。公明党は衆院の全国289の小選挙区で5千~2万の基礎票を維持しているといわれる。その基礎票は、ほとんどの選挙区で自民党候補に投じられ、自民党の一部の票が公明党の比例区に流れてきた。さらに、地域の創価学会員が自民党候補を支援してきたことも、自民党にとっては大きなメリットだった。
その公明党・創価学会が自民党を去り、新党「中道」の支援に回る。選挙区の事情によるが、例えば、自民党候補に投じられてきた1万票の公明党票が対抗馬の中道候補(大半は前回選挙で立憲の公認候補)に投じられることになれば、自民党分が1万票減って中道分が1万票増えるので、計2万票の増減となる。
様々なシミュレーションが進められているが、場合によっては、50人ほどの自民党候補の当落に影響を与えるとみられている。総選挙全体の帰趨に直結する動きである。














