埼玉県立小児医療センターで、白血病で治療中の3人に対し、抗がん剤の注射を行ったところ、重度の後遺症を発症したことが分かりました。このうち1人が死亡、2人が意識不明の重体です。

埼玉県立小児医療センターによりますと、去年、急性リンパ性白血病で治療中の10歳未満から10代の男性患者3人に対し、抗がん剤を注射したところ、歩けなくなるなどの神経症状を発症したということです。

このうち、去年10月に注射を受けた10代の男性は重篤な障害を引き起こし、先月、死亡しました。

他の2人も重篤な障害が残り、現在、人工呼吸器を装着し、治療を受けていますが、意識不明の重体です。

こうした事態を受け、病院では去年11月からすべての患者への注射を中止し、病院側は外部の調査対策委員会を設置して調査しましたが、注射の工程や手順などに問題は認められませんでした。

その後、調査委員会の助言を受け、患者3人の髄液を分析したところ、本来、この注射で検出されるはずのない別の薬液=「ビンクリスチン」が検出されたということです。調査委員会は、この「ビンクリスチン」が重篤な神経症状を引き起こした可能性が高いとみています。

また、この結果を受け、病院側は調剤の記録などを確認しましたが、別の薬液が投入された形跡はなかったということです。

病院側は、事件、事故の両面を視野に警察に相談したうえで引き続き、原因究明を行うとしています。