南海トラフ地震の発生確率 7年ぶりに更新したのに、たった8か月での更新はナゼ?
今後30年以内の発生確率が2025年1月に「80%程度」に発表された南海トラフ地震。
ところが、2025年9月、政府の地震調査委員会が、その発表確率を「60%~90%程度以上」とする新たな発表をしました。「90%程度以上」とは、「94.5%以上」を示します。「80%程度」から上下ともに幅のある確率に変更した理由とは―。
南海トラフ地震は、概ね100~150年間隔で繰り返し発生してきました。たとえば、江戸時代に発生した南海トラフ地震である「慶長地震(1605年)」と「宝永地震(1707年)」の間は102年で、同じく「宝永地震」と「安政地震(1854年)」までは148年、そして「安政地震」と「昭和(東南海・南海)地震(1944・46年)」は90~92年となっています。
このように周期的に発生するため、「時間予測モデル」などを用いて発生確率を算出してきました。「時間予測モデル」が用いるデータは、過去に南海トラフ地震が発生した間隔と隆起量で、▽地震を起こすひずみの蓄積は一定▽地震が起きた時のひずみの解放は、地震の規模によって異なる▽発生間隔は前の地震の規模に比例するという前提に立つものです。
このような算出方法を用いて発表されてきたのが、今後30年以内の発生確率です。2014年に「70%程度」と発表され、2018年に「70~80%」に上昇、そして今年1月には「80%程度」と発表していました。














