2025年も地震災害の多い1年でした。

 記憶に新しいのは、12月8日、最大震度6強を観測し、津波警報が発表された青森県東方沖地震です。この地震で初めて「北海道・三陸沖後発地震注意情報」が発表されました。

 7月にはロシア・カムチャツカ半島東方沖で地震が発生し、北海道から和歌山までの広い範囲に津波警報が発表。この日は兵庫県丹波市で国内歴代最高気温(当時)の41.2℃が観測されるなか、「酷暑での避難」の課題も浮き彫りとなりました。

 ほかにも、6月ごろから鹿児島県トカラ列島で群発地震があり、SNS上の“地震流言(デマ)”が話題に。1月には南海トラフ地震臨時情報の2回目の発表もありました。

 そんな2025年は、南海トラフ地震の様々な情報が更新されました。3月に被害想定が13年ぶりに見直されただけでなく、9月には1月に7年ぶりに変えたばかりの発生確率も変更されたのです。

 2025年に更新された南海トラフ地震の新たな被害想定と発生確率を詳しく解説します。

◆取材・文 福本晋悟
MBS報道情報局 災害・気象担当デスク。おもに津波避難に関する課題をテーマに取材。西日本豪雨や能登半島地震などの被災地取材も経験。人と防災未来センター特別研究調査員。神戸学院大学非常勤講師。