2月8日に投開票が行われた衆議院選挙は、自民党の圧勝と中道改革連合の惨敗という対照的な結果をもたらした。表向きの受け答えやコメントの裏側で、政治家たちは何を感じ、どんな本音を漏らしていたのか。また、党としての再生を図る中道には、今後どのような道が残されているのか。TBS政治部の官邸担当・原尉之記者と野党担当・堀宏太朗の取材から、その内幕に迫った。

「有象無象が集まっている」- 自民党圧勝の裏に広がる意外な懸念

自民党は小選挙区と比例代表を合わせて316議席を獲得し、単独で3分の2を超える「歴史的大勝」を収めた。これは憲法改正の発議が単独でも可能となる数字だ。そんな勝利の陰で、原記者によると政権幹部からはある“予想外の声”が聞こえてきたという。

「3分の2は聞いたことがない、これだけ勝ってどうするんだろうという責任が重い」

驚きを隠せない様子の政権幹部の言葉からは、圧勝による重圧感が伝わってくる。また、今回の選挙では自民党から66人もの新人議員が当選。この状況に対して「党内からは懸念の声も上がっている」と原記者は指摘する。

ある現職閣僚は「ガバナンスが絶対に悪くなる。有象無象が集まっている」と厳しい見方を示した。また、「自民党議員の緩みだよ。これからは若い議員が失言やスキャンダルに気をつけないといけない」と不安を漏らす議員もいた。

「自民党内では新人議員の統率に対する不安が広がっている」と原記者は話す一方、政府側では高市早苗総理の表情に「はしゃいでいる感じはなく」、「これから仕事をするんだ」という通過点と捉えているように見えたとも話していた。

自民党本部での取材にあたったnews23・藤森祥平アナウンサーは、投開票当日の日付が変わるころ、ある当選議員が高市総理と本部で雑談するのを目撃。部屋からは笑い声が漏れ聞こえてきたという。議員が高市総理を見送る際に「深々とお辞儀」をする姿が印象的だったと語っている。今回の選挙での圧勝によって、党内での高市総理の求心力が一気に高まった様子がうかがえた。