どう対抗する?

初確認から3年を経て、全国で確認が相次ぐニュウハクシミ。資料や、それを包む段ボールなどの梱包資材に付着して、人と物の移動に伴って広がっているとみられます。

これ以上の拡大を防ぐために、どうすればよいのでしょうか?

東文研は、ニュウハクシミに特化した「防除用キット」を開発し、全国の博物館や美術館などへの配布を進めています。

光を嫌うシミが入りやすい構造の箱に毒餌である「ベイト剤」を設置したもので、これを食べると脱皮が出来なくなり、やがて死に至るといいます。

実はこれ、元々、アリ対策として開発されたもの。

シミを駆除するための研究で様々な餌を試した結果、これが効くと分かったということです。

佐藤さん「これまでの研究で、ニュウハクシミは10℃以下、または湿度43%以下で死滅するという情報が得られています。こうした弱点を、文化財の保存環境に適用して防除できないか、という試みもスタートしているところです」