何十年ぶりだろう よみがえった記憶

それはインターネットのニュースを流し読みしていた時のことだった。
お隣香川県の坂出市が「こども消防車(正式名称・さかいでジュニア・ファイアー・アタッカー号)」の修理費用を募るクラウドファンディングを行っていて、その目標金額を達成したといった話題に触れたとき、ふと、そんな古い記憶がよみがえったのだ。

【坂出市ホームページより】

「こども消防車」って?

「こども消防車」とは、その名の通り、子ども向けに使用される啓発用の車両で、催しで展示されるなど、防火教育に活用されるものらしい。従ってその性格は消防車というよりも広報車両に近い
なるほど、そういうカテゴリーの車両があるのか。

総務省消防庁に聞いてみると…

早速、総務省消防庁に「こども消防車」について詳細を確認してみる。
しかしやはりというのか、正式な消防装備品ではないことから、把握はしていないとの回答だった。
ただ一方で担当者は、全国から消防庁に出向している消防職員に色々と聞いてくれたようで、例えば京都市や浜松市、東京都などは所有しているようだとの補足情報も提供してくれた。

検索してみる。
なるほど、かなり本格的に見えるものから、遊園地の遊具のようなものまで、全国各地には本当に様々な「こども消防車」があるということが判明した。

【浜松市消防の所有する子ども消防車。バギータイプでカッコいい】
【岡山県総社市の所有する子ども消防車。先代もいたということで、なかなか力が入っている】
【名古屋市消防の所有する子ども消防車。クラシックなはしご車タイプだ。けれどもこの理由は過去に取材をしたことがあるから分かる、現存する日本最古のはしご消防車を所有しているからだろう】
【大阪市消防の子ども消防車。なんだか普通に使えそうな車両を複数台を所有しているあたり流石である】

改めて、坂出市の「こども消防車(さかいでジュニア・ファイアー・アタッカー号)」を見返してみる。
うーん…流石にここまで立派なものでは無かったと思うが、記者が幼少期に見たのは、確かに今でいうところの「こども消防車」だったように思う。
しかし果たして何十年も前、小さな街の消防にそんなものが存在したのだろうか。
なんせ地元の同年代の友人に聞いてみても「記憶に無い」と言われる始末だ。

ぼんやりとした記憶に残る小さな消防車。
あれは本当、何だったんだろう。