智弁学園 対 東洋大姫路

(画像:智弁学園・逢坂悠誠選手)

準々決勝のもう1試合は、智弁学園(奈良)と東洋大姫路(兵庫)の実力校同士の激突。雨の影響で、智弁学園が4対0とリードした5回終了時点から継続試合となったこの試合。6回以降の再開が1日空いたことで大きく試合が動きます。

10月25日に行われた5回までの対戦では、智弁学園のエース・杉本真滉投手に抑え込まれていた東洋大姫路の打線、再開された27日の対決では、積極的なバッティングでチャンスを作り出していきます。7回ツーアウトながら1塁2塁のチャンスをつくると、3番峰松紘大選手が右中間を破る2点タイムリーツーベースヒット、「25日にバッターボックスで杉本投手の投球を1度体験したことで、しっかりとイメージが残った中で、1日(10月26日)たっぷり練習することができた」と語った峰松選手、的確に杉本投手の投球を捉えました。これで勢いに乗った東洋大姫路、8回には、2アウト満塁のチャンスをつくると、押し出しのフォアボールと一塁手の捕球ミスの間に3得点、智弁学園の守備の乱れをついて、あっという間に5対4と逆転します。

しかし、さすがは智弁学園、ここから底力を発揮します。その裏1アウトから1塁3塁とチャンスをつくると、6番大西蓮太郎選手が3塁線へ絶妙のバンド、素早く反応した3塁ランナーが送球より一瞬早くホームイン、中断前の4回から登板して、この日も好投を続けていた東洋大姫路の三上颯真投手から、ようやく1点をもぎ取り5対5の同点に追いつきました。

同点のまま試合は9回へ、東洋大姫路は、先頭バッターがフォアボールを選んで出塁します。この場面で東洋大姫路・岡田龍生監督の指示は送りバント。

しかし、ここは杉本投手が抜群のフィールディングで素早く打球を処理してセカンドへ送球、進塁を許しません、続く6番渡邊裕太選手も送りバントを試みますが、ここでも杉本投手が素早い動きでダブル―プレーを成立させてピンチを脱出します。

「投球内容以上に、チームに勝利を呼び込むのがピッチャーの役目。9回は、去年から背番号『1』をもらっている意地を見せることができた。いいプレーでゲームの流れを引き寄せることができた」と振り返った杉本投手。その言葉どおりチームに勢いを呼び込みます。

9回裏、智弁学園は先頭バッターがフォアボールで出塁すると、1アウトから2番志村叶大選手が送りバント。こちらは確実に決めて、ランナーをセカンドに進めます。続く3番角谷哲人選手がヒットでつないで、2アウト1塁3塁、サヨナラのチャンスで4番逢坂悠誠選手に打席がまわります。

「8回は自分のエラーでチームに迷惑をかけたので、決めてやるぞという強い気持ちで打席に入った」と話した逢坂選手、自らのバットで勝利を呼び込みました。

思い切り振り抜いた打球は、ファーストへの強襲ヒットなって、3塁ランナーがホームイン。センバツ出場を大きく引き寄せる勝利、智弁学園が東洋大姫路をサヨナラで撃破して、ベスト4進出を果たしました。

近畿大会準々決勝は、滋賀学園、大阪桐蔭、神戸国際大付、智弁学園の4校が勝利してベスト4に進出。智弁学園対滋賀学園、大阪桐蔭対神戸国際大付の準決勝は、11月2日(日)に行われます。