ついに逮捕、死刑判決に

1983年1月、名古屋市内の銀行駐車場で会社社長を拳銃で脅し、カネを奪おうとしたところ、逆に取り押さえられ、勝田はついに逮捕されます。

なぜこの男が10年にわたって犯行を続けることができたのか、誰もがそこをいぶかしみました。

そこから過去の犯行を自供し、連続殺人事件の全容が浮かび上がりました。自供では被害者は22人。1年に2人以上をコンスタントに殺していたという計算です。
その後の裁判で8人についての殺害が認定され、死刑判決が下されました。執行は2000年の11月。20世紀最後の死刑執行のひとりとなりました。

名古屋地裁の判決は、各局特番体制で臨みました。

「こういう人間がいる」ということに誰もが驚いた

勝田清孝事件の特徴は、そのあまりに冷酷な犯行様態にありました。罪を罪とも思わず、ときに行き当たりばったりで殺人を犯す「サイコパス」。それが銃を持ち、スポーツカーに乗って神出鬼没に現れるのです。日本全国が文字通り震撼しました。

一見、社会に溶け込んだかにみえる一人の男が、裏でまったく別の顔を持った殺人鬼として人々を襲う。この事件は映画化、テレビドラマ化などされ、戦後犯罪史を象徴する事件のひとつとなりました。