プラスチック分別技術の最前線

本庄市にある「エコスファクトリー」。回収されたプラスチックには、いろんな樹脂が混ざっています。例えばポリエチレン(PE)だけを抜き取る作業を行っている。レジ袋や洗剤のボトルがPEに該当する。最新の自動選別機を使って、光を当てて反射波を読み取り、ポリエチレンだけを空気で吹き飛ばして分離している。
ポリエチレンだけに空気を当てて分離する。その後、種類ごとに選別したプラスチックを洗いながら粉砕し、乾燥させる。この工程を経て、プラスチックはペレットという小さな粒に生まれ変わる。200℃から230℃で熱を加えて溶かし、ペレット状に成形する。これが完成形となり、新たな製品の原料になる。

エコスファクトリーでは、3種類の再生プラスチックが作られる。レジ袋などを原料とするポリエチレンのペレット、パンや食品の袋や作られるポリプロピレンのペレット、そして肉や魚のトレーなど発泡スチロールを再生したポリスチレンのインゴット。これらはまたレジ袋や燃えるごみの指定袋、ウッドデッキ、物流のパレット、園芸用品、写真立てのフレームなどに生まれ変わる。毎月作ったものすべてを販売できているほど需要がある。
滝沢秀一氏:
分別する際に「これが資源になる」という意識を持つと、分けるモチベーションも上がる。ただ、プラスチックのリサイクルってそこまで手間をかける必要があるのか、と思う人もいるかもしれません。でも、石油は無駄に使えばなくなる資源。2050年に向けて石油の使用を減らしていく中で、プラスチックがなくなると生活が困るので、再生利用が重要。
日本人はプラスチックを使う量が異常。1人当たりのプラスチック使用量は、年間で換算するとアメリカに次いで世界2位。日本人はプラスチックが好きというより、潔癖症と言えるくらい綺麗好き。
例えば、羊羹を食べるのに4層の包装を剥がしたり、雨の日にスーパーで傘を入れる使い捨ての袋を使ったりする。私はその傘袋を再利用しようとXに投稿したら、最初は「いいアイデア」と好評だったんですが、「いいね」が増えるにつれて「汚い」と炎上した。みんな本当に綺麗好き。
この綺麗好きがプラスチックの多用につながっている。でも、2050年に向けて石油の使用を減らすと、プラスチック自体が生まれなくなる。だからこそ、今あるプラスチックを有効に使う、つまりリサイクルが重要。