分別時の注意点

衝撃的な例ですが、ライターや電池が混ざっていることがある。ライターはオイルが入っていて、火花が出ると火事の原因になります。

ボタン電池はプラスとマイナスが重なると電流が発生し、発火のリスクがある。だから、職員が手作業で絶縁している。テープで絶縁して不燃ごみに出してほしい。

東京23区では大体不燃ごみだが、自治体によっては電池の日が設定されている。乾燥剤はプラスチック資源ではありません。地域によっては不燃ごみですが、石灰系の乾燥剤は水に濡れると発熱し、小火騒ぎの原因になることがあります。可燃ごみでも大丈夫ですが、ポリ袋に入れて水に濡れないようにすると安全です。

―― 電池は危険なんですね。

特にリチウムイオン電池は大問題です。モバイルバッテリーや電子機器の電池がプラスチック資源に混ざると、清掃車や工場で大火災を引き起こす可能性がある。捨て方が自治体によって異なり、拠点回収を受け付けるところもあれば、量販店でも断られる場合がある。購入時に「どうやって捨てるか」を考えるべきです。

今後、回収システムの構築が急務です。配線がついているものはプラスチック資源に出さないでください。

プラスチック回収は過渡期で、自治体によって対応がバラバラです。自治体のホームページやごみパンフレットを確認するのが一番確実です。

―― 廃プラスチックの具体的な分別について教えてください。

滝沢秀一氏:
カップ麺の容器はよく質問されます。カレーなどの色素がついていても、200℃で熱するので色は問題になりません。ただし、汚れは落としてください。目安は、リビングに置いて不快にならない程度です。油汚れが他のプラスチックに移ると、全部捨てることになるので、拭き取るか軽く洗うだけで大丈夫です。

―― ペットボトルのリングやキャップはどうですか?

滝沢秀一氏:
ペットボトルのリングは取らなくても大丈夫です。リサイクル工場ではバラバラに刻んで水を使って分別するので、ボトル部分は沈み、リングは浮くため自動で分離されます。ただし、キャップは外してほしいです。清掃車で圧縮する際、キャップがあるとペットボトルが破裂して危険です。実際に、キャップが原因で怪我をした清掃員もいます。

―― 容器の中は洗った方がいいですか?

滝沢秀一氏:
はい、衛生面から洗ってほしいです。例えば、夏にコーヒーやエナジードリンクが残ったペットボトルが100本、1000本と集まると、すごい匂いになります。秋には蜂が寄ってくることもあります。水で軽くすすぐだけで十分です。

ほんの数滴でも残っていると、清掃員にとっては大きな負担になります。分別はマニアックですが、身近な問題です。楽しく取り組めば、生活の一部になりますよ。

――これまでのご自身のお話を振り返っていかがですか。

滝沢秀一氏:
途中でついていけなくなるんじゃないかと心配でしたが、たくさん質問してくれて、新しいプラスチック先生が生まれた気分です。容器を軽くすすぐ。

―― 滝沢さんのお話を聞くと、毎日のごみ分別が身近に感じます。

滝沢秀一氏:
顔の見える社会を意識すると、ごみは減ると思います。誰が回収するかわからないから適当でいいや、ではなく、作る側も捨てる側も循環の一部だと知ることが大切です。

(BS-TBS「Style2030 賢者が映す未来」2025年5月18日放送より)