<佐賀工vs東海大大阪仰星>伝統校の底力で大接戦を制する!

 準決勝もう1試合は、選抜大会準優勝の京都成章に完勝して試合を重ねるごとに力強さが増している佐賀工(佐賀)と、東福岡との激戦を制してベスト4進出を果たした東海大大阪仰星(大阪)の対戦。

 前半は、プール戦の勢いそのままに、佐賀工がペースを握ります。試合開始からFWで圧力をかけて敵陣で試合を進めると、前半8分にWTB片山友選手が先制のトライ。WTB岩屋武琉選手がゴールも決めて7点をリードします。さらに19分、岩屋選手がPGを決めて点差を10点にひろげると、22分には鋭い出足で仰星を自陣深くに押し込んだ後、ダブルタックルで倒された仰星の選手の動きに判断よく反応してボールを奪った岩屋選手からのパスを受けたLO本田隆成選手が中央に飛び込んでトライ。ゴールも決めて17対0と大きくリードし、前半を折り返します。

 一方、前半は佐賀工の勢いの前に完全に受け身に回ってしまった東海大大阪仰星ですが、前半終了間際からはフレッシュな選手を次々と投入して反撃に転じます。そして後半10分、仰星らしいボールを大きく動かしながら高いハンドリング技術でディフェンスのギャップをついていく攻撃で敵陣に侵入していくと、最後は後半開始から出場したSO小出壮太郎選手が中央にトライ。ゴールも決めて17対7と追撃を開始します。17分には、狭いサイドを途中出場のFB小林蒼天選手が鮮やかなステップで抜いた後、中央に回り込んでトライ。CTB菊池敬太選手がゴールも決めて、17対14と3点差まで詰め寄ります。さらに23分、菊池選手のディフェンスライン裏へのキックに鋭く反応した途中出場のWTB前田航選手がトライエリアの右隅でボールを押さえてトライ。東海大大阪仰星が、交代で出場した選手の活躍で19対17とついに逆転しました。

 しかし、激闘はこれで終わりませんでした。佐賀工は直後のキックオフから全員がひたむきに前に出続けると、ハイパントのボールがこぼれたところに鋭い反応でボールを確保し、トライラインに迫ります。最後は、FW陣の執拗な連続攻撃から本田選手がゴールポスト右横に気迫でボールをねじ込む逆転のトライ。ゴールも決めて24対19と再逆転に成功しました。

 残り時間はあとわずか。必死の反撃を試みる東海大大阪仰星のアタックを佐賀工が渾身のタックルと反則を犯さない規律のとれた動きでしのぎます。最後は、自陣のトライエリアまで押し込まれながらも、ボールを蹴り出してノーサイド。伝統校の底力を見せた佐賀工、大熱戦を制してはじめての決勝進出です。