Mr.アンダーは賛成維持のため水面下で動いた


維新のMrアンダーこと遠藤前国対委員長も当初は与党からの修正提案を訝しんでいた。しかし、自民党幹部や省庁と水面下で協議を重ねた末「123万円の政府案よりは、段階的に160万円への引き上げを行う与党案は前進していると受け取れる。一度合意した賛否を覆すことは難しい」とし、党幹部らにレクチャーを行い党内に“賛成”でまとまるよう働きかけた。そして「修正案に賛成するにしてもこの案で終わりにしてはいけない。178万円に向けて国民民主党もしっかり協議を継続してもらえるような形を考えねばならない」と自民・公明・維新の幹事長合意に向けた準備を始めていた。合意文書案には自民・公明・国民の3党が去年12月に幹事長合意した“103万円の壁の178万円への引き上げ”について今後も誠実に対応するよう明記されていた。

吉村代表もこれに同調したのか、103万円の壁与党案を評価する発言を複数回会見で行っている。党内には反対意見も根強くくすぶっていたが、3月3日に緊急で開いた役員会と両院議員総会を経て、103万円の壁与党案についても賛成することを確認。同じ日に3党の幹事長による新たな合意文書への署名が実現するという流れで進み、Mr.アンダーが描いたシナリオ通りだった。