維新に成果が必要だったワケ

少数与党がゆえに予算成立には野党の協力が不可欠だった今回の国会。
与党は維新と国民を両天秤にかけて政策協議を進めてきた。その中で与党と合意にこぎつけた維新と結果的に対決姿勢を示し決裂してしまった国民民主。2党の対応と結果は180度異なってしまったのだが、その背景にはお互いの党勢や選挙事情も見え隠れする。
(維新所属議員)
「国民民主は今勢いがあるから、テーブルを蹴って参院選に突っ込んでもいいと思っているはず、むしろその方が支持を集めるだろう。一方、去年から埋没気味だとされ、党首合意を反故にされたことや大阪・関西万博の費用負担増、兵庫県の斎藤知事関連など複合的な理由により支持率が低迷している我々維新は、予算に賛成してでも成果を勝ち取り、その成果を参院選で訴えるしかなかった」
予算の賛成とバーターに、政策実現という一定の成果を勝ち取った維新だが、国民民主党からは厳しい声を投げかけられている。
(国民・玉木雄一郎衆院議員・3月3日投稿Xより)
「維新に期待しましたが、・来年度(4月1日)からのガソリン暫定税率廃止法案に「反対」・基礎控除に新たな壁を複数設ける所得税法の改正案に「賛成」・地方住民税の基礎控除を据え置く地方税法の改正案に「賛成」自民党・公明党と賛否が全く同じです。これでは手取りは増えません。残念です」
これには維新幹部も憤慨している。
(維新幹部議員)
「国民民主党からの矢がきつい。玉木さんがSNSで火を噴いている。かなり誇張した悪意のある表現が多いと感じる、何が対決より解決だ。ただ世間も玉木さんについていっている印象で、これで維新の支持率が上がるのか、半信半疑だ」
支持率浮上に自信が持てないと話す維新幹部。JNNの直近の世論調査では日本維新の会は0.5ポイント上昇し、3.6%と微増しているが、国民民主党は2.8ポイント上昇し、10.9%と両党の差は拡大している。野党第一党は目指さず少数与党相手に政策実現を図ることに舵を切った維新。178万円に引き上げる合意を頓挫させたと維新を批判する国民民主。その2党の足元を見て融通無碍に立ち回る自民党。
一連の仕事を終えたMr.アンダーこと遠藤敬前国対委員長はこう語った。
「今回もっとも得をしたのは自民党だろう。だが維新は予算に賛成したからといって与党のすべてに賛成するわけではない、例えば今後国会で議論になる企業団体献金禁止をめぐる議論で与党に歩み寄るのは難しいだろうしそれは与党側にもすでに伝えている。ここはわが党らしく是々非々の立場で“どちらが世のためになるか”という軸を見失わずに戦い続けるしかない。今は国民民主党の支持率が高いが、参院選までは4か月もある。混迷の政局の4か月は長い。この間に何があるかわからない、下がるときはあっという間だ」
尾藤貴裕(MBS東京報道部記者)
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