過去最高の賃上げ要求も 中小企業に波及するか

自動車や電機など主な製造業の労働組合が加盟する金属労協は12月3日、2025年の春闘で、ベースアップを月額1万2000円以上とする要求を発表した。過去最高額だった2024年の1万円以上の要求を上回っている。2025年の賃上げの意義について、金属労協の金子議長は…

金属労協 金子晃浩議長:
物価上昇が続き、人手不足も変わらず、経済成長の実感も乏しく、国際的な賃金水準も低位のまま。こうした状況だけに鑑みても、これまでの賃上げの流れを止める理由が全く見当たらない。賃上げの流れを今後も定着させていくために、極めて重要な年になる。

各労働組合から、高い要求が相次いでいる。機械や金属産業の中小企業からなる、ものづくり産業労働組合「JAM」は、ベースアップ分として過去最高となる月額1万5000円以上を目指すことを明らかにした。

流通や外食などの労働組合「UAゼンセン」は、ベアと定期昇給分を合わせて全体で6%、パートなどの非正規雇用で働く人は7%とする方針を発表した。

こうした中、政府は12月6日、全ての世代の賃金、所得を増やすことを最重要課題とする、来年度(2025年度)予算編成の基本方針を閣議決定した。今後は価格転嫁や生産性の向上を通じて、中小企業の賃上げに広がるかが焦点となる。

経済同友会 新浪剛史 代表幹事:
大手企業は別にして、中小企業をどうするかが一番重要な問題。(中小企業の)賃金が上がっていく画をちゃんと描けないと、全体の賃金が恒常的に上がる画は描けない。中小企業がちゃんと上げられる仕組みを作っていく。