日米の金融政策どうなる? トランプ氏の政策の影響は?

――今後の金融政策。日銀が近々利上げに踏み切るという見方もあるが、ここで金利を上げることが、賃上げや景気にマイナスになる心配はあるか?

東京大学名誉教授 伊藤元重氏:
今、物価が2%を超えて伸びている。日銀の政策金利0.25%でその差額、実質金利が非常に低い。ここで多少金利が上がったからといって失速に繋がるとは思えない。むしろ2%を超える物価が2年以上続いているのに、未だに0.25%と非常に低い政策金利はおかしい。だから早く政策金利を上げた方がいいと思っている。

――もう一つ焦点は、為替相場。円安が非常に進んでいて今も150円ぐらい。これがずっと続くと物価高に効いてくるので、少し円高方向に是正するにはどういう手があるか。

東京大学名誉教授 伊藤元重氏:
実際問題として、為替には金利が一番効く。為替の動きを見た時には、円安を是正する段階では金利を上げた方がいいのではないか。ただ日本銀行は、為替のために金融政策とは言わないと思う。本音と建前がどういう形で出てくるか。ただ為替が重要な要因であることは事実。あまり円安が進むと、利上げの可能性は高くなると思う。

――今、景気もそんなに悪くなっていない。利上げする環境は整っているか。

東京大学名誉教授 伊藤元重氏:
トランプ政権が出てきていろんなことが起こる前に、金利を上げたらいいとは思う。

(BS-TBS『Bizスクエア』 12月7日放送より)