「全商品100円」大手で唯一実現できるワケ

 どうすれば、全て100円で販売できるのか。取材班は岐阜県大垣市にあるセリア本社へ。会議室では、中国・上海の取引先と商品のコストカットについて話し合っていました。セリアの100円商品の仕掛け人、大野公久部長の姿が。

 (セリア・商品部 大野公久部長)「まず台紙が大きい。紙の面積を小さくすることで紙のコストを下げられるんじゃないか。穴をあけてフックに通すだけで取り付けができるので、作業時間や人件費が削減できる」 

 物価高で原材料費も上がる中、100円を実現するためにあらゆるアプローチから日々、改善に改善を重ねています。

 (大野公久部長)「円安だけではなくて、国内の運送コスト・人件費など全部が上がっているので、余計に細かいところまで見ていく」

 セリアの売上は約2230億円と業界2位(※2023年度)。10年前と比べて、売り上げは約2倍と右肩上がりです。好調な売り上げの要の1つが「全ての商品が100円」という分かりやすさだといいます。

 (大野公久部長)「ワンプライスでやっているのはセリアだけになりますから。ここから先、競争力の武器になると思っています」

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 セリアが取り扱う商品は約2万8000点。それらを開発するのは商品部のたった9人です。1人当たり月に約100の新商品を手がけますが、そのアイデアは何気ない生活の中で見つかるといいます。

 (セリア・商品部 吉原響さん)「料理したけど『洗い物が面倒くさい』みたいな悩みがあったりすると思うんですけど、“お皿として使えるまな板”をつくってみたり。『もう少しこうだったらいいのにな』という部分に気付けるように日々生活しようと心がけています」

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 生活者の視点で、売れる商品を徹底的に分析することもセリアの強みです。

 (大野公久部長)「商品それぞれの単品のデータで動きを把握して、トレンドをつかんで商品に落とし込んでいます」

 本社には国内約2000店から商品ごとの売り上げの情報がリアルタイムで届き、好調な商品、伸び悩んでいる商品が一目でわかるようになっています。消費者のトレンドを常にフォローし、約2万8000点ある商品のラインナップは常に新陳代謝を繰り返しているのです。